【中小企業向け】Webマーケティングとは?「売れる仕組みづくり」の基本を診断士が解説

日々の現場メモ

こんにちは、中小企業診断士のSacChiです。

高知の暮らし・観光・移住の”リアル”を、
企業支援の現場で得た視点とあわせて発信しています。

企業支援をしていると、
「ホームページを作ったけれど、問い合わせにつながらない」
「Instagramを始めたけれど、何を発信したらいいか分からない」
「SEO対策って、結局何をすればいいの?」
といったWebマーケティングに関する悩みを耳にします。

私自身もブログを運営しているため、SEOやSNS、アクセス解析などについて試行錯誤してきました。

そんな中、中小企業向けのWebマーケティング研修を受講し、改めて感じたことがあります。

Webマーケティングは、単にSEO対策やSNSを始めることではありません。

その前に、
「何を、誰に、どこで、どのように届けるのか」
を整理する必要があります。

今回は研修で学んだ内容の中から、企業支援や自分自身のブログ運営にも活かせそうだと感じたポイントを中心にご紹介します。

※本記事は研修資料そのものを転載するものではなく、受講を通じて学んだ内容を筆者なりに整理・考察したものです。


先に結論|Webマーケティングとは「売れる仕組み」をつくること

Webマーケティングとは、Webサイト・検索エンジン・SNS・広告などを活用し、顧客に自社の商品やサービスを知ってもらい、購入、さらにファン化までつなげていく取り組みです。

その順番は次のように整理できます。

①何を売るのか(商品・サービス)

②誰に売るのか(顧客)

③どこで届けるのか(Webメディア)

④どのように購入・ファン化につなげるのか(マーケティング活動)

ホームページやSNSは、このうち③の「どこで」にあたります。

つまり、
「とりあえずホームページを作ろう」
「とりあえずInstagramで投稿しよう」
から始めるのは、本来の順番ではありません。

まず考えるべきなのは、自社の商品・サービスと、その先にいる顧客です。


1.Webマーケティングの基本|「何を・誰に・どこで・どのように」

Webマーケティングというと、SEOやSNS広告などの手法を思い浮かべるかもしれません。
しかし、Webマーケティングは、もっと大きな流れで捉えるものです。

(1)何を|商品・サービスを理解する

最初に整理するのは、自社が提供する商品やサービスです。

どのような特徴があり、競合と比較して何が違うのか。

そして何より、
その商品・サービスによって、顧客のどんな悩みや課題を解決できるのか
を考えます。

商品の機能やスペックだけではなく、「顧客にどんな価値を提供できるか」という視点が重要です。

(2)誰に|顧客を明確にする

次に重要なのが顧客です。

同じ商品でも、ターゲットが変われば伝えるべき内容は変わります。

「できるだけ多くの人に買ってほしい」
と対象を広げるよりも、
「誰の、どんな課題を解決する商品なのか」
を明確にすることが重要です。

(3)どこで|適切なWebメディアを選ぶ

商品と顧客が整理できたら、次に「どこで情報を届けるのか」を考えます。

Web上には、さまざまな媒体があります。

  • 自社サイト:ホームページ、ECサイト、お客様の声など
  • 検索エンジン:SEO、MEO
  • Web広告:リスティング広告、ディスプレイ広告、リマーケティング広告、SNS広告など
  • ソーシャルメディア:Instagram、Facebook、LINE、X、YouTube、ブログなど
  • 他社サイト:ポータルサイト、ECモール、口コミサイトなど

重要なのは、すべてに取り組むことではありません。

自社の顧客が、
「どこで情報を探しているのか」
「購入前に何を比較するのか」
を考え、適切な媒体を選ぶことが大切です。

(4)どのように|5Aカスタマージャーニーで考える

そして「どのように顧客へ届けるか」を考える際に参考になるのが、5Aカスタマージャーニーです。

①認知(集客)

②訴求(育成)

③調査(比較)

④行動(購入)

⑤推奨(ファン化)

ここで特に重要だと感じたのが、
マーケティングは「購入」で終わらない
ということです。

商品を購入してもらった後、リピーターとなり、さらに誰かへ紹介してもらうところまでマーケティングは続きます。


2.マーケティングの理想は「販売を不要にすること」

ここで、経営学者P.F.ドラッカーのマーケティングに対する考え方をご紹介します。

ドラッカーは、顧客を十分に理解し、商品やサービスを顧客に適合させることで、自然と売れる状態をつくることがマーケティングの理想だとしています。

研修では、これを分かりやすく、
「勝手に売れる仕組みをつくること」
と捉えていました。

そう考えると、Webマーケティングとは、
「Webを活用して売れる仕組みをつくること」
と言えます。

広告を出すことやSNSを更新すること自体が目的ではありません。

その先に、
「この商品が欲しい」
「この会社に相談したい」
「またこの会社から買いたい」
と思ってもらえる状態をつくることが、マーケティングの目的です。


3.マーケティング・広告・PR・ブランディングの違いとは?

マーケティング、広告、PR、ブランディングは似た言葉ですが、意味は少しずつ異なります。

私なりに整理すると、次のようになります。

マーケティング
→ 自社の価値を相手に届け、選ばれる仕組みをつくる

広告
→ 自社から商品・サービスの価値を伝える

PR
→ 第三者から自社の価値を伝えてもらう

ブランディング
→ 顧客の中に「この会社はこういう会社」というイメージが形成されている

例えば、企業が広告で何度も、
「当社の商品は良いですよ」
と伝えるより、実際に利用した顧客から、
「この会社の商品、良かったよ」
と言われる方が信頼性が高いこともあります。

さらに理想的なのは、詳しく説明しなくても、
「○○ならこの会社」
と顧客から認識されている状態です。

Webマーケティングも、こうした「選ばれる状態」をつくるための活動の一つなのだと思います。


4.フロントエンド商品とバックエンド商品とは?

商品設計について、印象に残った考え方がありました。

フロントエンド商品=集客商品
バックエンド商品=本命商品

です。

例えば、

無料相談

お試しサービス

本契約

という流れも、この考え方に近いでしょう。

自社サイトと他社サイトを使い分ける

ECの場合には、

他社ECモールでは購入しやすいフロントエンド商品を販売し、自社ECサイトでは本命となるバックエンド商品を販売する

といった使い分けも考えられます。

他社サイトには、

  • 初期投資を抑えやすい
  • 運営負担を減らせる
  • セキュリティ面を任せやすい
  • 撤退しやすい

といったメリットがあります。

一方、自社サイトなら、

  • デザイン
  • 商品ラインナップ
  • 顧客とのコミュニケーション
  • ブランドの見せ方

などを自社の方針に合わせて設計できます。

「本命商品が売れたら終わり」ではない

単一の商品・サービスであっても、

「無料相談」
「資料請求」
「お試しセット」

などを入口にすることができます。

そして重要なのは、
バックエンド商品が売れて終わりではないこと。

メルマガ、イベント、SNSコミュニティ、新商品の共同開発などを通じて顧客との関係を続けることで、

購入者

リピーター

ファン

へと変わっていきます。

結局ここでも重要なのは、
マーケティングを始める前に、自社の商品・サービスと、その先にいる顧客を理解すること
なのだと思います。


5.クラウドファンディングは資金調達だけではない

フロントエンド商品やファンづくりという視点で、もう一つ面白いと感じたのがクラウドファンディングです。

クラウドファンディングというと、
「新商品の開発資金を集めるもの」
というイメージがあります。

しかし、マーケティングの観点から見ると、資金調達以外にもメリットがあります。

①資金に余裕を持って商品開発に取り組める

先に支援を集めることで、商品開発に必要な資金を一定程度確保したうえで事業を進めることができます。

②テストマーケティングになる

クラウドファンディングを通じて、

「誰がこの商品を欲しいのか」
「どのような見せ方に反応するのか」
「どの価格帯なら支援してもらえるのか」

など、市場の反応を確認できます。

③ファンがいる状態からスタートできる

支援者は単なる購入者ではなく、
「この商品を応援したい」
という人でもあります。

商品発売時に完全なゼロから顧客を探すのではなく、一定の応援者がいる状態からスタートできる点も魅力です。

私自身はまだクラウドファンディングを活用したことはありませんが、資金調達だけでなく、テストマーケティングやファンづくりの手法として考える視点は面白いと感じました。


6.SEOとは?Webサイト運営の基本を改めておさらい

SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」のことで、検索エンジンの自然検索を通じて、自社のWebページをユーザーに見つけてもらいやすくするための取り組みです。

生成AIやAI検索の普及によって、検索を取り巻く環境は変化しています。

そのため、SEOについても特定のテクニックを追いかけるだけではなく、ユーザーにとって役立つ情報を継続して届けることが大切だと感じています。

今回の研修では、Webサイトの運営を実店舗になぞらえた、分かりやすい例えが紹介されました。

①ドメイン年数=創業年数

長く運営を続けてきたサイトには、それまでの情報や実績が蓄積されていきます。

②ページ数=店舗規模

必要な情報が充実しているほど、ユーザーは自社について理解しやすくなります。

③更新頻度=商品の入れ替え

新しい情報へ定期的に更新していくことで、現在も活動している会社であることが伝わります。

④アクセス数=客入り

多くの人に利用されるサイトには、それだけユーザーとの接点があります。

※上記はGoogle検索の直接的なランキング要因を示すものではなく、Webサイトを継続して育てる重要性を実店舗に例えたものです。


ホームページは、
「世間に公開されている自社の鏡」
と考えます。

作って終わりではなく、必要な情報を追加し、古い情報を見直しながら、少しずつ磨き続けることが重要です。

私自身、ブログを運営しているので、この「コツコツ更新する」という部分は、
「今まで続けてきたことは間違っていなかったんだ」
と少し安心しました。


7.魅力的なWebコンテンツを作る4つのポイント

Webサイトは、ただページ数を増やせばよいわけではありません。
大切なのは、顧客にとって役立つコンテンツを蓄積することです。

①顧客が検索する言葉を調べる

Googleトレンドなどを活用し、検索ニーズを考えます。

ここで大切なのは、
企業が使いたい言葉ではなく、顧客が使う言葉を考えること。

自社では当たり前に使っている専門用語でも、顧客がその言葉を知らなければ検索されません。

「顧客なら何と検索するだろう?」
という視点を持つことが重要です。

②最低限必要なページを整える

Webサイトでは、少なくとも次のような情報を用意しておくことが重要です。

  1. はじめての方へ
  2. 商品・サービス紹介
  3. 事例・実績
  4. お客様の声
  5. 購入・導入までの流れ
  6. アクセス
  7. 会社概要・沿革
  8. よくある質問
  9. ブログ・SNS
  10. お問い合わせ

中でも、継続して情報を充実させたいのが、

商品・サービス、事例・実績、お客様の声、よくある質問、ブログ

です。

企業支援をしていても、
「どんな会社なのか」
「どんな実績があるのか」
「自社と似た企業を支援したことがあるのか」
「頼んだらどうなるのか」

がホームページから分からない企業は少なくありません。

企業側にとっては当たり前の情報でも、初めてその会社を知った顧客にとっては重要な判断材料になります。

特に「よくある質問」は、実際に顧客から聞かれたことを蓄積していけば、顧客の疑問を解決すると同時に、検索ニーズを反映したコンテンツにもなります。

③CTAで「次の行動」をつくる

サイトを読んでもらっても、
「お問い合わせください」
だけでは、行動へのハードルが高い場合があります。

そこで重要なのが、CTA(Call To Action)です。

CTAとは、Webサイトを訪れた人に「次の行動」を促す仕組みのことです。

例えば、

  • 資料請求
  • 無料相談・無料見積
  • 無料診断
  • メルマガ登録
  • サンプル・プレゼント
  • セミナー・イベント

などがあります。

いきなり商品を購入してもらうのではなく、
「顧客が一歩だけ行動できる入口」を用意する
という考え方です。

④オリジナルコンテンツをつくる

今回、ブログを運営する自分として特に印象に残ったのがここです。

オリジナルコンテンツをつくるポイントとして、

①情報だけでなく、自分の意見を書く
②「モノ」ではなく、その先にある「コト」を伝える
③専門性と情報量を地道に積み重ねる
④異業種との組み合わせを考える

という考え方が紹介されました。

これは、まさに自分のブログにも当てはまります。

ネット上にある情報をまとめるだけでは、他の記事との差は生まれません。

そこに、
「実際に経験してどうだったか」
「企業支援の現場ではどう感じたか」
「自分ならどう考えるか」
という一次情報や自分自身の考察を加える。

その積み重ねが、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)からなるE-E-A-Tを意識したコンテンツにもつながると考えています。

そして、もう一つ印象に残ったのが、「価格だけで勝負しない」ことです。

価格だけを理由に選ばれれば、より安い商品が登場したときに離れてしまう可能性があります。

中小企業だからこそ、価格競争ではなく、
専門性、ストーリー、体験、信頼
で選ばれる仕組みをつくることが重要だと感じました。


8.伝わるWebサイトに必要な5つのポイント

最後に、Webサイトそのものの見せ方についても学びました。

POINT1|ファーストビューで「誰に・何を」が伝わる

ファーストビューとは、Webサイトを開いて最初に表示される範囲です。

ここで、
「誰の、どんな悩みを、どう解決する会社なのか」
が伝わることが重要です。

きれいな写真だけでなく、ターゲットや提供価値が分かるキャッチコピーを配置します。
社長やスタッフの顔が見えることも、会社への安心感や親しみにつながります。

POINT2|CTAを分かりやすい場所に置く

「お問い合わせ」「資料請求」などは、すぐ見つけられる場所に置きます。

メールだけでなく、

  • 電話
  • 問い合わせフォーム
  • 無料相談
  • 資料請求

など、顧客が連絡しやすい方法を用意することも大切です。

POINT3|次に見るページが分かる導線をつくる

Webサイトを訪問した人が、
「次にどこを見ればいいの?」
と迷わない設計にします。

例えば、

商品紹介

導入事例

よくある質問

無料相談

といった流れです。

記事の最後に関連記事を置くことも、導線づくりの一つです。

POINT4|情報を更新し続ける

何年も更新されていない「NEWS」や「新着情報」は、
「この会社、今も営業しているのかな?」
と不安を与えてしまう可能性があります。

Webサイトは作ること以上に、
作った後に更新できる体制をつくること
が重要です。

Web担当者一人に任せるのではなく、営業、製造、経営者など、社内から情報を集められる仕組みをつくることも必要だと思います。

POINT5|検索される言葉を自然に配置する

顧客が検索する言葉を、

  • ページタイトル
  • 見出し
  • メニュー
  • 商品・サービス紹介
  • 関連記事へのリンク

などに自然に盛り込みます。

ただし、検索エンジンのためだけにキーワードを詰め込むのではなく、
読んだ人が理解しやすいWebサイトをつくることが大前提
です。


まとめ|Webマーケティングは「顧客を知る」ところから始まる

今回の研修で学んだことを振り返ると、一番大切なことはとてもシンプルでした。

自社の商品・サービスを知る。

そして、その先にいる顧客を知る。

そのうえで、

何を

誰に

どこで

どのように届けるのか

を考える。

ホームページ、SEO、SNS、Web広告、ECモールなどは、あくまでそのための手段です。

企業支援でも、
「ホームページを作りたい」
「Instagramを始めたい」
「ECサイトで販売したい」
という相談があります。

そんな時こそ、いきなりツールの話に入るのではなく、
「そもそも誰に、何を届けたいのでしょう?」
というところから一緒に整理することが重要なのだと思います。

そして、これは自分自身のブログ運営にもそのまま当てはまります。

記事を書くこと自体を目的にするのではなく、
「誰がこの記事を読むのか」
「その人は何を知りたいのか」
「読んだ後に何を持ち帰ってもらいたいのか」
を考える。

今回の研修は、Webマーケティングの知識を学ぶだけでなく、
「顧客起点で考える」
というマーケティングの基本に立ち返る機会になりました。


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