【2026年版】小規模企業共済と中退共の違いとは?経営者・従業員それぞれに最適な退職金制度を解説

日々の現場メモ

こんにちは、ブロガーのSacChiです。

高知の暮らし・観光・移住の”リアル”を、
企業支援の現場で得た視点とあわせて発信しています。

企業支援をしていると、

「小規模企業共済と中退共って何が違うんですか?」
「どちらに加入すればいいのでしょうか?」
「倒産防止共済には入ってるけど…それはどんなものですか?」

という質問を受けることがあります。

どちらも国が運営する制度ですが、
実は対象者も目的も全く異なります。

この記事では、中小企業診断士として企業支援を行う立場から、
それぞれの制度の違いやメリット・デメリット、
どちらを選ぶべきかを分かりやすく解説します。

先に結論|経営者なら小規模企業共済、従業員なら中退共

結論からいうと、2つの制度の違いは「誰のための退職金制度か」です。

  • 経営者・役員・個人事業主の退職金を準備するなら「小規模企業共済」
  • 従業員の退職金制度を整備するなら「中小企業退職金共済(中退共)」

どちらも国の制度ですが、目的や加入対象は大きく異なります。

この記事では、それぞれの制度の違いやメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

小規模企業共済と中退共の比較

比較項目小規模企業共済中退共
対象者経営者・役員・個人事業主従業員
目的経営者自身の退職金準備従業員の退職金制度
掛金負担本人会社(事業主)
税制優遇所得控除損金・必要経費
国の助成なし新規加入・増額時あり
貸付制度ありなし
元本割れ20年未満で任意解約2年未満で退職

小規模企業共済とは

小規模企業共済は、
経営者や個人事業主が将来の退職金を積み立てる制度です。

「経営者のための退職金制度」と考えると分かりやすいでしょう。

加入できる人

業種ごとに従業員数の要件があります。

例えば、

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下
  • 製造業・建設業などは20人以下

などの条件を満たす必要があります。

メリット

  • 掛金が全額所得控除になる
  • 将来受け取る際も税制優遇がある
  • 掛金の範囲内で無担保・保証人不要の貸付制度が利用できる

特に節税効果は大きく、
個人事業主や会社役員から人気の高い制度です。

注意点

一方で注意したいのは、

20年未満で任意解約すると元本割れする可能性があることです。

短期間だけ加入する制度ではなく、
長期的な資産形成として考える必要があります。

中退共とは

中退共(中小企業退職金共済)は、
中小企業が従業員の退職金制度を整備するための制度です。

会社が掛金を負担し、
退職時には中退共から従業員へ直接退職金が支払われます。

加入できる企業

業種ごとに、

  • 資本金
  • 従業員数

のいずれかを満たす中小企業が対象です。

また、従業員は原則として全員加入となります。

メリット

  • 掛金は法人なら全額損金、個人事業主なら必要経費
  • 新規加入時や掛金増額時には国の助成制度がある
  • 退職金の積立不足リスクを抑えられる
  • 退職金の支払い事務を簡素化できる

福利厚生の充実や人材定着にもつながる制度です。

注意点

納付期間が短い場合は元本割れとなる場合があります。

また、一度決めた掛金を減額するには、
従業員の同意や厚生労働大臣の認定など一定の条件が必要です。

どちらを選べばいい?

目的によって選ぶ制度が変わります。

小規模企業共済がおすすめな人

  • 経営者
  • 個人事業主
  • 自分自身の退職金を準備したい人
  • 所得税・住民税の節税をしたい人

中退共がおすすめな会社

  • 従業員の退職金制度を導入したい
  • 福利厚生を充実させたい
  • 人材の定着率を高めたい
  • 将来の退職金負担を平準化したい

よくある質問

Q. 小規模企業共済と中退共は併用できますか?

できます。

経営者は小規模企業共済、
従業員は中退共という形で利用している企業も多くあります。

Q. 社長は中退共に加入できますか?

原則として加入できません。

中退共は従業員を対象とした制度です。

Q. 中退共には貸付制度がありますか?

ありません。

貸付制度があるのは小規模企業共済です。

まとめ

小規模企業共済と中退共は、
名前が似ているため混同されやすい制度です。

しかし、

  • 経営者自身の退職金なら「小規模企業共済」
  • 従業員の退職金なら「中退共」

と覚えておけば迷うことはありません。

どちらも国が運営する制度であり、
税制面でも大きなメリットがあります。

一方で加入条件や元本割れなど注意点もあるため、
自社の状況に合わせて制度を選ぶことが大切です。

企業支援の現場でも、
こうした制度を活用することで経営者の将来設計や福利厚生の充実につながった事例を多く見てきました。

制度を上手に活用し、
安心して経営に専念できる環境づくりにつなげていただければと思います。

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